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2017年4月29日 (土)

うぶな氏(越後谷信義氏)、秋田県現代詩人賞・奨励賞受賞

うぶな氏の「書肆えん宛に」が、秋田県現代詩人協会の秋田県現代詩人賞・奨励賞を受賞されました。これは「海市」(発行書肆えん)への感想ということで書いた、と以前おききしていましたが、紹介しておきます。ずっと書くこと(=生きること)の意味を問い続けてきた詩人の詩です。

  書肆えん宛に
                    うぶな

オレは詩を書くしかない。
緩慢な日常にあっても
つねに水のながれにそい
水霊のささやきにみちびかれる
草木の生きかたをもって
時代とたたかう陽口から光合成の理をひらき
日常を詩にかえる同化作用をつづけること。
そう、土が生きつづける偉大なる日常に
オレのうまれをさぐり
オレのこのよをさらし
オレのゆくえをみつめ
するすると毛根から入っていった
地の底のこゑが
はらはらと葉っぱに実現され
このよに生きる
言の葉によっておのれをみいだすこと。
そこからおのれが一葉であることの
そのほんたうのことが
からだのあらゆるところをつたってつむぎだされる
それを
そこを
その切実さを
オレは書きとどめるしかない。

齢 68
オレはまたうまれた


注 陽口:体のなかのいろんな器官、血液、臓器、細胞などのあらゆるものが一つの目的のためにやすみなくはたらいていて大自然をとり入れた生命体を体現していくことへの総称。(俗)太陽の恵みを受け入れる器官。ひるがえって、いわんやこれは亀谷健樹はがき禅八五六信における〝数息観〟と同義語であるかや。いわゆる、「息を数え息を吐く毎に自然のもろもろのいのちととけあう、生死のどまんなかにどっかりと風骨をたてる。今ここに生きているよろこびだ」

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